ウニ類の裸殻標本の作製方法
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概要
本ページではウニ類の 裸殻標本(denuded specimen) の作製方法を紹介します。棘や管足といったウニの体表に付着する器官を全て取り外し、裸の殻の状態にした標本の形態を指します。裸殻標本は見た目が美しいものやユニークなものが多く、近年は ウニ殻 と呼ばれ親しまれています。
裸殻標本は腐敗する可能性がある軟組織を除去して作製するため、標本作製後の保管が有棘標本より容易です。エタノールなどの高い試薬や、ガラス瓶といった気密性の高い容器を必須としないため、安価かつ省スペースでたくさんの標本を保管することができます。

作製方法
手順
- 適当な容器に家庭用漂白剤を入れておきます。
- 家庭用漂白剤にウニを浸します。
- ウニの表皮や筋肉が溶解していきます。頃合いを見て引き上げます。
- 別の容器などに移し、流水に晒して漂白剤を抜きます。
- 漂白剤が抜けきった頃合いに流水から引き上げ、風通しの良い暗所で完全に乾燥させる。
容器への入れ方
- 殻が脆い種類などは硬い容器に直接入れてしまうと、容器が揺れた際に棘が容器の壁面に衝突してしまい、棘の先端が欠けてしまったり、衝撃で殻にヒビが入ってしまうことがある。そうならないように、固定・保存液が浸透するように切れ込みや孔をあけたビニール袋などにウニを入れ、緩衝材とすることでウニを衝撃から守ることができます。
